地鎮祭

広島県世羅郡世羅町にて「世羅の家」の地鎮祭を行いました。
晩秋の世羅は、余計な音がなく、
土地の起伏や風の流れがよく分かる季節です。
この場所に建築をつくるということを、
あらためて確認する時間になりました。
紅白幕の下に設えられた祭壇は、
極めて簡素で、無駄がありません。
人が場に手を入れるとき、
まず環境を乱さず、整えるという姿勢が
自然と表れています。
地鎮祭は、何かを始めるための儀式というより、
一度立ち止まるための時間だと感じています。
ここから先、建築はこの土地の条件に従いながら、
少しずつ具体性を持っていくことになります。
世羅の家では、
強いかたちや分かりやすい表現を求めていません。
風景の中でどう見えるか、
季節によってどう変わるか、
そうした関係性を丁寧につくることを考えています。
まだ何も建っていない敷地ですが、
すでに多くの情報があります。
それらを読み取りながら、
建築として必要な輪郭だけを与えていく。
その作業が、これから始まります。
藤原昌彦