今朝、今年初めてセミの声を聞きました。
梅雨が明け、本格的な夏の始まりです。
カレンダーを見る前に、耳が季節の変化を教えてくれる。
そんな瞬間が私は好きです。

住まいは、こうした季節の移ろいを感じられる場所であってほしいと思っています。
朝、窓を開けると聞こえてくるセミの声。
庭の木々が風に揺れる音。
夕方になると少しだけ涼しくなる空気。
冷暖房の効いた快適な室内も大切ですが、それだけでは季節は感じられません。
窓を開けたくなること。
庭に目を向けたくなること。
ふと耳を澄ませたくなること。
そんな小さなきっかけが、暮らしを豊かにしてくれるのだと思います。
建築は、ただ暑さや寒さを防ぐための器ではありません。
四季の変化を受け止め、人の感覚を少しだけ豊かにしてくれる場所でもある。
今年最初のセミの声を聞きながら、そんなことを考えた朝でした。
藤原昌彦