住宅の設計において、私は平面計画がとても大切だと思っている。
もちろん断面計画も重要である。
光の入り方や天井の高さ、空間の広がりは断面によって決まる。
けれど、それ以上に平面計画が美しくなければ、住まいは美しくならないと思っている。
平面計画は一般的に「間取り」と呼ばれることが多い。

しかし、私が考える「間取り」は、一般的な意味とは少し違う気がしている。
多くの場合、間取りとはLDKや洗面・脱衣室、寝室や子ども部屋といった部屋を配置し、動線を整理することだと考えられている。
もちろん、それも間取りの一つである。
だが、私が考えているのは、単に部屋を並べることではない。
人と人との距離。
居場所と居場所との距離。
部屋と部屋との距離。
室内と屋外との距離。
近すぎず、遠すぎず。
その関係性を考え、整えることが「間取り」なのだと思う。
「間取り」とは、「間」を「取る」と書く。
だからこそ大切なのは、部屋そのものではなく、その間にある関係性なのではないだろうか。
家族は、仲が良いほど常に一緒にいたいわけではない。
一人になりたい時もある。
けれど、完全な孤独を求めているわけでもない。
どこかに人の気配を感じながら、自分の時間を過ごしたい。
私は、住宅の設計とは、その距離を整える仕事だと思っている。
そして、その距離を最も色濃く表すのが平面計画なのである。
だから私は、間取りを大切にしている。
藤原昌彦