防火地域に建つ屋外とつながるセミコートハウス 玉島中央の家

30代前半のご夫婦と猫が住まう住宅である。
コンパクトでありながらも、屋外と繋がり心地よ良い居場所があり、光の移ろいを感じられる住まいを計画した。
| 躯体性能 | 耐震等級3(許容応力度計算による構造計算) |
|---|---|
| 外皮性能 | Ua値 0.51 C値 0.5 |
| 取得認定等 | 認定長期優良住宅 準耐火建築 住宅性能表示制度(設計・建設評価)取得 |

南北の道路をつなぐ敷地内の路地 リビングとつながる中庭が路地を通る来客をもてなす。



リビングとつながる中庭空間。小スペースながらも緑豊かな屋外空間としリビングに潤いを与えるように設た。


中庭を望めるキッチンと階段。階段は軽やかになるよう鉄骨にて設計を行なった。階段した部分には、猫の居場所のスペースとなる。キッチンには、障子を建て込んであり来客がある際には閉めて、雑多な雰囲気を隠せるようにしている。

主室(リビング・ダイニング) 2層分の吹き抜けを持つ空間。
食事のスタイルが違うご夫婦の居場所に配慮した計画とした。(ご主人は椅子を使用し、奥様は床に座って食事を楽しむ)
中央の木の箱は、空調が仕込まれている。(パッシブ冷暖空調)

リビングから中庭を望む。




南側のハイサイドライトからの美しい光。

ご主人の書斎。ただただ、読書を楽しむ為の空間とした。
テーブルと椅子とちょっした小物による設で、雑多な日常を忘れられる居場所となるように心がけた。
30代前半のご夫婦と猫が住まう住宅である。
敷地は、かつて港町として栄えた町の面影と、昭和のレトロな雰囲気を残す町並みに近接し、岡山県指定町並保存地区の近くに位置している。南北に道路が接続する細長い敷地で、防火地域の指定があり、南側にはアパートが建ち視線への配慮が必要な場所であった。
そこで本計画では、コンパクトでありながらも、伸びやかに過ごすことのできる住まいを目指した。求められたのは、周囲の視線を気にすることなく、外部空間とつながる心地よい居場所のある住まいである。
まず、南北の道路をつなぐように敷地内に路地状のアプローチを設け、両方の道路から出入りできる計画とした。その路地の途中に中庭を設け、緑を感じながら住まいへと向かう、小さな外部空間の連なりをつくっている。
建物は3間×6間の矩形を基調とし、その一部を凹ませることで中庭を取り込み、主室と庭が一体となる構成とした。リビングは中庭と直接つながり、キッチンからは階段越しに中庭の緑を感じることができる。ダイニングは南側の緑に向かって配置し、小上がりの畳スペースを設けることで、椅子で食事をするご主人と、床に座って食事をする奥様、それぞれの居場所に寄り添う形とした。
主室であるリビング・ダイニングは大きな吹抜けを介して2階とつながり、上下階が緩やかに連続する空間としている。キッチンは猫との暮らしにも配慮し、独立性の高い空間としながら、キッチン・パントリー・洗面へと連続する家事動線をまとめ、コンパクトながら回遊性のある構成とした。
2階には主寝室、将来の子ども室兼来客室、ご主人の書斎を配置している。主寝室は吹抜けを介して主室とつながり、書斎からは中庭の緑を望むことができる。
コーヒーを淹れ読書を楽しむ時間、料理をしながら緑を眺める時間。
光と緑、そして家族の気配がゆるやかにつながる住まいとなった。
これから家族が増え、ここで賑やかな時間が積み重なっていくことを想像している。
木造平屋建て(SE構法) 準耐火構造・認定長期優良住宅(耐震等級3・温熱等級6) 住宅性能表示(設計・建設)取得
延べ床面積:89.79㎡(27.16坪)
1階:56.67㎡(17.14坪) 2階:33.12㎡(10.01坪)
建築設計:藤原昌彦+バウムスタイルアーキテクト一級建築士事務所
構造設計:株式会社エヌシーエヌ
設計期間:2024年 2月~2024年10月
施工期間:2024年10月~2025年 7月
写 真:笹倉洋平/笹の倉舎