余白をつくる

藤原の日記

冷たい空気がピンと張りつめた、冬の一日。

まだまだ、寒い日が続きそうですね。

アスプルンド 図書館

昨今は、機能や性能を求める傾向が強いと思います。

情報化の社会では、仕方ないことなのでしょうか?

写真は、北欧の建築家 エーリック・グンナール・アスプルンド 設計の「ストックホルム市立図書館」です。

写真では、少しわかりにくいのですが、この本が置いてある場所は円筒形の吹き抜け空間となっており、書架は三層でいづれもきちんと手の届きそうな高さとなっています。その上部は、三層書架の約2倍はある白い壁の余白となっています。

このバランスが、非常に絶妙な良い感じなっています。(断面図をみてそう思っています。)

普通であれば、届かなくともこの壁を使い、本を収蔵しようと考えるのではないかと思います。あえて、それをしていない。

この余白の壁は、不思議で良い意味での分かりにくさがあると思います。

その分かりにくさが、建築に深みを与えています。

私の設計も、ある意味分かりにくい所があると思います。

数字などでは、表せない分かりにくさ。感覚的なバランスの設計。

そのような分かりにくさのある空間・建築は、深い意味で人とはなんなのか、生きることはなんなのかを考えさせる余白なのではないかと思います。

藤原昌彦