思考を巡らせる時間

藤原の日記

久しぶりに、ブログを書いています。

昨年の年始には「今年はブログを頑張って書いていきます」と綴っていたのですが、正直なところ、この一年はいろいろなことが重なり、前向きに文章を書く気持ちになれませんでした。

最近はSNSが主流となり、こうした読み物としてのブログは敬遠される傾向もあるようです。
私自身もSNSを利用していますし、気軽に更新できること、気軽に見られることの良さはよく分かります。

そんな中で、最近また読書を楽しむ時間が増えました。
きっかけはあるのですが、その話はまた別の機会に。

ここ数年は、本を読むのに時間がかかるようになり、集中力も続かず、読み進めても内容が頭に入らず、何度も読み返すことがありました。
ところが、ある出来事をきっかけに、不思議と再び集中して読めるようになりました。

最近読んでいるのは、小川糸さんの小説です。

「食堂かたつむり」
「ライオンのおやつ」
「ツバキ文房具店」

など、ご存じの方も多いと思います。

なかでも「食堂かたつむり」「ライオンのおやつ」「小鳥とリムジン」は、“生きること”を静かに問いかけてくる作品で、ぜひ多くの方に読んでいただきたい本です。

ただ、今日は本の紹介をしたいわけではありません。

私が書き残しておきたいのは、読書をする時間」そのものの大切さについてです。

デジタルの普及によって、私たちはSNSやYouTubeを通して、瞬時に多くの情報を得られる時代に生きています。
さらにAIの進化により、自分の趣味嗜好に合った情報が、簡単に手に入るようになりました。

私もその恩恵を受けている一人ですし、この技術の進歩は本当に素晴らしいことだと思います。

しかし、何かを創造する仕事に携わる者としては、
その便利さの裏側にある影響についても、少し考える必要があるのではないかと思っています。

私は日頃から、
「人の心が和む住宅とは何か」
「人が生きる建築とは何か」
ということを考えています。

そのためには、速い情報だけに囲まれるのではなく、
少し立ち止まり、ゆっくりと思考を巡らせる時間が必要なのではないかと思うのです。

言い換えれば、
創造を育てる時間です。

本を読むとき、人は多くの想像をします。

この物語の舞台はどんな風景なのだろうか。
主人公はどんな表情をしているのだろうか。
登場人物はどんな人生を歩んできたのだろうか。

そして、作者はどんな想いを込めてこの物語を書いたのだろうか。

活字を追いながら、頭の中に風景を思い描き、人物の姿を想像する。
その時間は、静かですがとても豊かな時間です。

一日のうち、ほんの10分でもかまいません。
スマートフォンを少し置いて、本を開いてみてはいかがでしょうか。

暮らしの中に、静かな豊かさが生まれるのではないかと思います。

藤原昌彦