大変久しぶりの更新となってしまいました。
年始から更新をと思いつつ、なかなか更新が出来ず気がつけば10月になっていました。
9月は、二つの講演の機会をいただいた。
ひとつは、造園家の荻野寿也さんとご一緒した「釿始(ちょうなはじめ)」での講演。
もうひとつは、MOKスクールでの登壇「風土と暮らし、土着する設計施工」である。
どちらの場も、私にとって“建築とは何か”を改めて見つめ直す時間となった。

荻野さんとの対話では、建築と庭、人工と自然の“あいだ”について語り合った。
建築は地に立ち、庭はその風景を受け継ぐ。
異なる分野でありながら、目指すものは同じ——風土に寄り添い、人の暮らしを支える空間をつくること。
懇親会では多くの方と意見を交わし、建築や造園の垣根を越えて学び合える場の尊さを感じた。



MOKスクールでの講演
MOKスクールでは、「そこにある普通の美しさを目指して」という題でお話しした。
建築は、出来上がった瞬間のためのものではなく、長い時間を内包し、風景に静かに溶け込むものだと考えている。

今回の二つの講演を通じて、建築が人や土地、風景をつなぐ媒介であることを改めて実感した。
小さな建築が風景をつくり、やがて人の記憶となっていく。
その“普通の美しさ”を、これからも探し続けたい。


二つの講演は、私にとって非常に良い経験となりました。
緊張のあまり、うまく伝えられなかった部分も多々あるものの、聞いてくださった方々の温かい会場作りで楽しいひと時でした。
また、機会があれば皆さんの前で話すことができればと思います。