晴れたかと思うと、雨が降り湿度の高い一日。
住宅には、経年美が必要だと思っています。
建築は、空間だけが語られますが、ここに「時」が加わることで建築が成立すると思っています。つまり「時空間」です。
素材が持つ力により、時間が経つにつれ美しくなって行きます。
特に「木」は、切りだしたのちにも呼吸をし生きています。建築の一部として、この土地に色々な物に加工され取り付けがなされ、生き続けます。
木は生きているため、この建築に馴染もうと、季節・気候に合わせようと動きます。
私の設計では、建具等によく使用しますので、引き渡しをしてから約2年ぐらいは細やかな調整が必要となります。
特にこの湿気のある時期や乾燥する季節は、その反動が大きく不具合が起こります。この時期を越えると、また何もなかった様に不具合が消える。
しかし、これが素材の力であり、自然素材の良さであります。
ゆっくりと素材の良さと付き合ってください。
藤原昌彦