終の棲家の平屋「牛窓の家」 2018 屋根のある建築作品コンテスト2019 住宅部門 最優秀賞

定年後の夫婦二人暮らしの家。
ご夫婦は海外生活が長く、そこで手に入れた家具や雑貨や絵画をたくさん持っていた。
それらをたくさん飾って楽しく過ごせるような家を考えた。

牛窓の家 終の棲家の平屋

上空から見て長方形の建物エリアに対して斜め(ほぼ対角線)に壁を作り、リビングを直角三角形のような空間にして、その斜辺(一番長い辺)を絵画などを飾るための広い壁とした。
本を伏せたような山形の切妻屋根の形そのままの天井と、斜めに走る壁が組み合わさる、多面体のような空間となり、16帖程度のリビングが広く感じられる効果を生んだ。

ダイニングテーブルの真横に、床から肩くらいまでの高さの大き目の開口部を作った。
歩いてテーブルまで来たときよりも、テーブルに座ると明るさと暖かさが感じられる。
ここは座ってくつろぐ場所なのだな、と思うことだろう。

リビングの奥には庭に出っ張るように三角のスペースを追加した。
上の方にある横長の開口部より入る光が、時間によって違う印象を演出する。

キッチンは明るくなるよう多くの光を、コーナースペースには雰囲気のある光を。場所ごと、時間ごとに光を楽しめるようにした。

ご夫婦が調えたリビング。海外で手に入れた家具や雑貨や絵画が並んでいる。
ご主人が大切にされている海外製のオーディオや、奥様が作られたステンドグラスや編み物も。
ここで海外生活時代に思いを馳せつつ、今の暮らしを充実させていくのだろう。

終の棲家の平屋「牛窓の家」

定年後の余生を楽しむためのご夫婦二人の家。
気候が温暖で災害の少ない牛窓を気に入り、関東から移住された。
敷地は一般的な分譲地で、海が近い。
ご夫婦が長い海外生活で手に入れた家具や雑貨や絵画、趣味の音楽やステンドグラスや編み物、これらを飾れることを重点に考えて設計した。
展示スペースを多く取ったため真っ白な空間であったが、家具や絵画たちが飾られると生命力あふれる家になった。

屋根のある建築作品コンテスト2019 住宅部門 最優秀賞

 

木造/木造軸組み工法 平屋建て
延べ床面積:84.16㎡
設計:若原一貴(若原アトリエ)+藤原昌彦(バウムスタイルアーキテクト一級建築士事務所)
構造設計:長坂設計工舎 長坂健太郎 馬上友弘
設計期間:2016年6月~2018年5月
施工期間:2018年3月~2018年10月
写真:中村絵