大きな吹抜けを持つ小さな家 円山の家 2022
岡山市の中心部よりほど近い住宅地に建つ住宅。
4人家族のための緑と食を楽しめる小さな家を考えた。
躯体性能:耐震等級3(許容応力度計算による構造計算) ※構造についてはこちらへ
外皮性能:Ua値 0.67 C値 0.7 ※温熱環境についてはこちらへ
認定長期優良住宅取得
建築中の様子はこちらへ 円山の家ブログ
屋根は暖勾配の切妻屋根として、外壁には焼杉板を使用した。
カーポートもオリジナルでデザインを行っている。
南側の庭には、主室(キッチン・ダイニング)と繋がるウッドデッキを計画した。
玄関スペースを広くし、自転車を内部に持ち込めるようにしている。
玄関から主室は、扉のない一室空間としている。
大きな吹抜けのある主室(キッチン・ダイニング)
2階のスタディコーナーとも繋がっており、家族の気配を感じられる様にしている。
リビングは畳敷としており、将来寝室として使えるようにしている。
キッチンの奥にはパントリーを併設し、玄関から直接出入りできるようにしている。
2階の廊下には、本棚を間仕切りにしたWICがあり、その内部にはちょっと籠りたいときに使用できる書斎も併設した。
吹抜けに面してスタディーコーナーを設置。
主室と繋がり、一体感のある空間としている。
岡山市中区に建つ、活動的なご主人と物静かな奥様、そして二人のお子さんための住宅である。敷地は、市内中心部から東に向かう交通量の多い道路から入った住宅地の中にある。敷地の西側は駐車場としている空き地のため、開けていて、明るさと広がりを感じた。
クライアントからの要望は、外部からの視線を最小限に抑えながらも開放的で、緑と料理、食事を楽しめる空間のある小さな家。
これらの要望を受け、主室をダイニング・キッチンとし、緑と食を通じて家族がくつろぎ、豊かな暮らしが出来ないかと考えた。小さな家の設計で重視するのは、空間のつながりと視線の抜けである。そこで、平面的にはコンパクトながらも、気積のある空間にしたいと考えた。主室を4.5m角の平面形状とし天井の高さも4.6mの吹抜けとし、立体的に大きな気積のある空間とした。そして外部のウッドデッキと繋がる開口部は、1.5m角と小さくすることで、外部からの視線を遮りながらも、庭の緑を眺められるよう設計した。リビングは、畳敷の座の空間でくつろげるようにし将来はご夫婦の寝室となる。吹抜けに面してあるスタディーコーナー、子供室となる個室はあえて仕切らず一体空間と知ることにより、違う階にいても家族の気配を感じられる様にしている。2階の廊下には天井まで一面の本棚を設け、その奥に書斎兼クローゼットを設けた。リモートワーク等で籠れるようにあえて低い開口部とした。
その大きな気積のある空間を包み込む外観は、出来る限りシンプルなものが良いと考え、屋根は大きく暖勾配の切妻屋根として、外壁には焼杉板を採用した。
大きな気積のある空間は、小さな開口部から入る光を空間全体に行きわたらせ、個々の居場所を確保しながらも家族のつながりを創り出す。屋外ではご主人が家庭菜園を楽しみ、その傍らで奥様と子供たちが草花を愛でながら暮らしている。
木造/在来軸組み工法(2階建て)
延べ床面積:89.22㎡(26.98坪)
建築設計:藤原昌彦+バウムスタイルアーキテクト一級建築士事務所
施 工:株式会社バウムスタイルアーキテクト
構造設計:株式会社倉敷構造設計室
外構造園:バウムスタイルアーキテクト
設計期間:2021年1月~2021年 10月
施工期間:2021年8月~2022年 2月
写 真:田中園子(クオデザインスタイル)