二世帯を繋ぐ中庭を持つコートハウス 真備町の家Ⅲ

倉敷市真備町に建つ二世帯8人が暮らす住宅である。
西日本豪雨により被災され、再度ここに住まわれる決意をされた。

ここに家族が寄り添って暮らせる二世帯住宅を考えた。

躯体性能:耐震等級3(許容応力度計算による構造計算) ※構造についてはこちらへ
外皮性能:Ua値 0.67 C値 0.7 ※温熱環境についてはこちらへ
認定長期優良住宅取得

建築中の様子はこちら   真備町の家Ⅲブログ

瓦屋根と中国地方特有の素材である焼杉板を使用した外観。
南棟は親世帯、北棟は息子世帯の二棟を配置し玄関や水廻・個室で繋ぎロの字型の構成としている。
災害に耐え抜いた敷地の石垣と桜やモクレンを活かした。

北棟と南棟の高さを変えることで、この地域にある民家の佇まいになる様に心がけた。

玄関は一か所として、中庭に直接行けるようにしている。

屋根の構造を現しにした玄関・廊下。

二世帯の距離感を保つ中庭。
北棟から直接出られるデッキを設えている。

南棟(親世帯)には、旧居にあった縁側を再現し、南の山々を望めるようにしている。

北棟(息子世帯)は天井高さを3mとし、中庭と繋がる開放的な空間としている。

二世帯を繋ぐ中庭を持つコートハウス 真備町の家Ⅲ

真備町の家Ⅱに続き、西日本豪雨により被災された家族の住宅である。

災害により石垣で囲われた土地の上に建つ住宅は屋根まで浸水してしまったが、頑丈な石垣の敷地と桜やモクレン等の樹木は浸水に耐え、力強く生き残った。

この敷地に、家族と息子夫婦とその子供合わせて8人が暮らす二世帯住宅を計画することとなった。周辺環境は、田園風景が広がり南側には災害をきっかけに計画された防災公園(設計:隈研吾)が出来る予定である。

敷地は約200坪で二世帯が暮らすには十分な広さがある。計画において大きな主題となったのは二世帯間の距離であった。計画としては、親世帯と子供世帯のそれぞれの棟を南と北に二列配置し、二棟を玄関や水廻・個室で繋ぎロの字型の構成とし、中心に中庭を設けお互いの距離を保つ計画とした。

南棟の親世帯は、旧居の面影を引き継げるよう縁側を設け、南面に広がる山々と繋がる様にし、北面の中庭に対しては、息子世帯からの視線を遮れるよう開口部を低く設定した。北側の息子世帯は南面の中庭へ主室から出られるようにデッキを設けた。中庭を望むそれぞれの開口部によりお互いの気配を感じながらも、程よい距離感を保つことが出来た。

外観は、南棟・北棟は中国地方でよくつかわれている瓦屋根と焼杉板を外壁に使用し、二棟を繋げる部分を軽やかな鋼板屋根と白い外壁で繋げることで、二つの棟が際立つように考えた。造園については、造園家と相談しながら、以前より有った桜やモクレンを活かし、残っていた樹木も移設して新しい植栽と馴染むよう計画した。

中庭を介することで、各世帯が程よい距離感で支えあい、自然とも対峙することなく寄り添うような暮らしのできる住宅となった。

 

 

 

木造/在来軸組み工法(平屋建て)
延べ床面積:195.37㎡(59.09坪)
建築設計:藤原昌彦+バウムスタイルアーキテクト
施  工:株式会社バウムスタイルアーキテクト
構造設計:株式会社倉敷構造設計室
外構造園:荻野景観設計株式会社
設計期間:2020年1月~2020年 12月
施工期間:2020年8月~2021年  8月
写  真:笹倉洋平(笹の倉舎)