民家の力

藤原の日記

曇り空の少し肌寒く感じる朝ですね。

現代の住宅の造り方を気づいた時から行った我々は、なんと浅はかだったのかと長く使われている民家を見ると気がつきます。

経済状況によりエネルギーの考え方が変わり、自然のことなど省みることなく色々なものをつくってきた経緯があります。

住宅においてもそうで、特に建材は顕著です。石油製品などによる資材は、長く使うというよりは、劣化を待つものとなり、今頃になって気が付く。

長く使われている民家では、造られているモノの素材は自然素材と呼ばれる材料がほとんどです。

屋根は、茅葺や板葺き、瓦葺き、壁は土壁、床は土の三和土や無垢材の板、畳。

外部の材料は、雨や内部の結露水を含み、気温の上昇とともに気加熱として熱に変換することで、内部の温熱環境がコントロールされていた事に驚かされます。

現代では、人口の素材に溢れており、自然素材の力が発揮されない状態となっています。

省エネルギーの観点から、数字を指標としてその目標をクリアーすれば省エネとなり、内部の温熱環境も改善されるが如く謳われています。

しかし、実際は数値目標をクリアーするだけでは、本来の豊かな温熱環境の暮らしはできません。

いくら内部の空気温度が高くなっても、壁や天井、床などの表面温度により不快になってきます。

古来の民家の考え方を現代の建材に置き換え、より良い温熱環境になっていきます。

ぜひ、古いからと民家を敬遠せず、その民家の工夫、良さを現代に生かせるように。

藤原昌彦