重心を下げる

藤原の日記

幻想的な霧が立ち込める朝。霧の中は、いつも不思議さを感じます。

美しい空間・建築を創りたい。

誰もが思うことかも知れません。空間をつくるには、床・壁・天井があり、開口部や照明器具、スイッチ、コンセントなどの設備機器の多くのモノが存在します。

これらを丁寧に設計することで、美しい空間は生まれてくるのですが、私がいつも心がけていることの一つに「重心を下げる」ことをおこなっています。

例としては、スイッチやコンセントの位置があります。

なぜか一般的なスイッチの高さは床から1,300mm。

私の設計では、床から900mm。

この高さを丁寧に平面の大きさ、天井の高さ、開口部の大きさの関係性により設計していくことで、重心が低くなり美しい空間に近づいて行きます。

スイッチの高さを、床から900mmにすることで、今まで手を高く上げなければならないところが、手をスッと前に出すだけでボタンが押せたり、便利になります。

美しくすることは、不便なことも伴いますが、便利になることもあります。

まずは、空間の重心を下げること。

美しい空間創りへの一歩です。

藤原昌彦