ピンと張りつめた冬の空気感。だんだんと年末の雰囲気が高まって来ましたね。
私の恩師でもあり、共同設計者でもあり、兄の様な存在でもある 建築家 若原一貴さんが、雑誌「住む。」に寄稿されていた。
取材したのは、福山市鞆の浦にある個人の週末住宅「後山山荘」。
クライアントがこの土地を購入した経緯から、建築家に設計を依頼し完成、その後を丁寧に書かれています。
後山山荘を設計した建築家 前田圭介さんからは直接この住宅の設計の内容をお聞きしており、また造園を手掛けた 造園家 荻野寿也さんからもお聞きしてたので、とても親近感を持ちながら拝読しました。
この住宅は個人のために再生建築されたのですが、当然当初は一般の方に公開するつもりはなかったそうです。
きっかけは、造園家による学生などを呼んでのワークショップ。
最終日にクライアントが駆けつけ、参加していた学生から「この様な機会を与えてくださり、有難うございました」との一言により、クライアント自ら楽しむ私的な空間だけにするのではなく、多くの方々に見ていただき、そこでの人と人との繋がりを持ちたいと思ったそうです。
建築は、どうしても完成した姿や「モノ」としてとらわれがちですが、つくる過程でのやり取りや行動・出来事なども含めて「建築」だと思います。
この「建築」が影響を与えたものは、すごい事ではないかと思います。
この様な「建築」ができる様に日々邁進して行きたいと思います。
藤原昌彦