記憶… 22年

藤原の日記

1995年1月17日 5時46分

阪神淡路大震災がおきました。

あれから、22年。

小柴邸01

当時、私は学生で卒業研究(当時、温熱環境の研究:いわゆる、断熱の研究)の為、インフラも整っていない広島にある開発分譲地のモデルハウスの断熱性能の実験に向かう朝でした。

車で移動中に、体験した地震は大きな揺れで、非常に怖かったことを思い出します。

実は、地震が起こったことは分かっていましたが、すぐにインフラのないモデルハウスに泊まり込みの為、

これほどまでに被害の大きい地震だったとわかるまでに、数日かかりました。

確か、震災が起こってから2~3日経っていたと思います。

近くに、コンビニもなければ喫茶店もない状況の場所。

新聞を見て、知った時には衝撃がすごかった。

それから、約10数年後に建築の設計を始める際には、構造はしっかりしたいという思いがありました。

根拠もなく、構造を強くするのではなく、しっかりと、構造計算をし安全性のシュミレーションを行ったうえで、確認する。

そのことを、自分の中で義務化をし今までやってきました。これからも続けます。

師匠(勝手に師匠と呼んでいる)から、教わったことの中で、「美しい空間は、ストラクチャー(構造)も美しい。」

美しい空間は、力の流れや自然の摂理(力学)も自然に美しくなるのだと。しかも、合理的になり無駄な事が省かれる。

したがって、構造強度が増すのだと。(無駄に、太い材料や大きな材料が必要でなくなる)

美しい建築・美しい空間をつくるためには、構造の美しさが必要である。

写真は、私が建築設計に向かうあたり大きな影響を受けた建築家 安藤忠雄氏の小篠邸(兵庫県芦屋市)。

安藤さんの特徴といえば、コンクリートの打放し仕上げ。

ストラクチャー(構造)がそのまま仕上げになっています。

「構造が美しいと、空間も美しい」その分かりやすい一例ですね。

藤原昌彦