南区の離れ 2017 屋根のある建築作品コンテスト2019 住宅部門 優秀賞

私たちバウムスタイルアーキテクトのアトリエ兼モデルハウス。
約20坪の限られた敷地の中で、暮らしを意識したアトリエを考えた。

大きな一枚片引戸の開口部から光が降り注ぐ。深い軒の出が、冬の日だまりを守り、夏の日射を防ぐ。居心地が良くて、思わずソファでまどろむことも。

ダイニングを見る。白壁を照らす自然光が、季節や時間を通して様々な陰影を描いていく。

階段を上がった先には、壁面いっぱいの本棚が。視線を誘導し空間の抜けを確保するなど、ここにも小さな家に広がりを与える工夫を施している。

一階より天井を見上げる。表しの構造材は白く塗装し、軽やかなラインを生み出している。

憩いの場・リビングを臨む。コンパクトながらも抜けのある空間は、段差と吹き抜けによって生まれた縦の広がりと、障子から漏れた光がもたらす奥行きによって演出される。

洗出し仕上げのアプローチは、建物全体を廻り込み、玄関へと。その道のりは、まるで茶室のよう。

焼杉板と植栽が織りなす瀟洒なコントラスト。

室内では、左官の手仕事による珪藻土塗の壁と無垢の床板がお出迎え。すべてが自然素材であるが故に、多様なテクスチャにも調和が生まれる。

南区の離れ

岡山県南部の、開発後約40年ほどが経過した閑静な住宅地に建つアトリエ(住宅)
周辺には切妻屋根が連なり、中国地方特有の壁材である焼杉板の外壁が続く風景が在る。
面積は約20坪とかなり制約のある敷地である。
この限られた敷地の中で、暮らしを意識したアトリエを考えた。
外観は、周りの風景に馴染む様に切妻屋根とし、外壁は焼杉板を使用した。
内部空間は、できる限り床面積の小ささを意識させないように、領域ごとに段差をつけて空間を仕切ることとした。
段差のある空間は、意識的に視線を遠くに誘導させ、その奥の気配を感じさせることができ、面積以上の広がりを感じられる空間となる。
また、造園は造園家 荻野寿也氏に依頼し、この土地に馴染む様に植栽を施していただいた。
自然素材による手触りの良さや、小さいながらも広がりを感じさせる空間となり、経年変化による建築の熟成が楽しみである。

屋根のある建築コンテスト2019 住宅部門 優秀賞

 

SE構法
延べ床面積:67.07㎡(20.28坪)
建築設計:藤原昌彦(バウムスタイルアーキテクト一級建築士事務所)
構造設計:株式会社NCN
造園設計:荻野寿也(荻野寿也景観設計)
設計期間:2017年3月〜2017年5月
施工期間:2017年5月〜2017年12月
写真:田中園子(クオデザインスタイル)