狭小住宅で自然素材の家 「南区の離れ」 2017 屋根のある建築作品コンテスト2019 住宅部門 優秀賞 岡山市景観街づくり賞受賞2021年
私たちバウムスタイルアーキテクトのアトリエ兼モデルハウス。
約20坪の限られた敷地の中で、暮らしを意識したアトリエを考えた。
躯体性能:耐震等級3(許容応力度計算による構造計算) ※構造についてはこちらへ
外皮性能:Ua値 0.48 C値 1.2 ※温熱環境についてはこちらへ
大きな一枚片引戸の開口部から光が降り注ぐ。深い軒の出が、冬の日だまりを守り、夏の日射を防ぐ。居心地が良くて、思わずソファでまどろむことも。
ダイニングを見る。白壁を照らす自然光が、季節や時間を通して様々な陰影を描いていく。
階段を上がった先には、壁面いっぱいの本棚が。視線を誘導し空間の抜けを確保するなど、ここにも小さな家に広がりを与える工夫を施している。
一階より天井を見上げる。表しの構造材は白く塗装し、軽やかなラインを生み出している。
憩いの場・リビングを臨む。コンパクトながらも抜けのある空間は、段差と吹き抜けによって生まれた縦の広がりと、障子から漏れた光がもたらす奥行きによって演出される。
洗出し仕上げのアプローチは、建物全体を廻り込み、玄関へと。その道のりは、まるで茶室のよう。
焼杉板と植栽が織りなす瀟洒なコントラスト。
室内では、左官の手仕事による珪藻土塗の壁と無垢の床板がお出迎え。すべてが自然素材であるが故に、多様なテクスチャにも調和が生まれる。
岡山県南部の開発後約四十年ほどが経過した閑静な住宅地に建つアトリエ(住宅)。
周辺には切妻屋根が連なり、中国地方特有の壁材である焼杉板の外壁が続く風景が在る。
面積は約二十坪とかなり制約のある敷地である。
この限られた敷地の中で、暮らしを意識したアトリエを考えた。
外観は周りの風景に馴染む様に切妻屋根とし、外壁は焼杉板を使用した。
内部空間はできる限り床面積の小ささを意識させないように、
領域ごとに段差をつけて空間を仕切ることとした。
段差のある空間は意識的に視線を遠くに誘導させ、
その奥の気配を感じさせることができ、面積以上の広がりを感じられる空間となる。
また、造園は造園家
荻野寿也氏に依頼し、この土地に馴染む様に植栽を施していただいた。
自然素材による手触りの良さや、小さいながらも広がりを感じさせる空間となり、
経年変化での建築の熟成が楽しみである。
屋根のある建築コンテスト2019 住宅部門 優秀賞
SE構法
延べ床面積:67.07㎡(20.28坪)
建築設計:藤原昌彦(バウムスタイルアーキテクト一級建築士事務所)
構造設計:株式会社NCN
造園設計:荻野寿也(荻野寿也景観設計)
設計期間:2017年3月〜2017年5月
施工期間:2017年5月〜2017年12月
写真:田中園子(クオデザインスタイル)