大きな吹抜けを持つ玉島の家 2024
田園風景の残る敷地に建つ4人家族が住まう2階建ての家。
大らかな暮らしが出来るように大きな吹抜けを持つ住宅を計画しました。
躯体性能:耐震等級3(許容応力度計算による構造計算) ※構造についてはこちらへ
外皮性能:Ua値 0.49 ※温熱環境についてはこちらへ
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将来の周辺環境へも対応できるように建物をL字に配置したセミコート形式とした。
玄関からは庭の緑が見える様にしている。
端正な切妻屋根と焼杉板の外壁。
玄関の窓からやさしい光が来客をもてなす。
主室への入り口。
奥が明るく、期待感を抱かせる。
大きな吹抜けと南面にある大きな開口部。
上部の開口部からの光は、時と共に光が移ろう。
吹抜け東側上部にも開口部を設け、柔らかな光が天井を明るくする。
開口部に少し段差を設けることで、腰かけることが出来るスペースとなる。
屋外とを緩やかにつなぐ。
階段を登り切ったところに設けた書斎コーナーと個室前に設けたスタディコーナー。
2つのスペースとも吹抜けと繋がり、気配を感じられる様にしている。
スタディ―コーナーの吹抜け側は、障子により仕切れるようにしている。
敷地は、田園風景の残るのどかな場所であるが、周辺はその田園を開発し住宅が建ち並ぶ状況の一画にある。南北に長い田圃の北側一画を造成し敷地としている。敷地としている田圃も担い手がいなくなると売りに出され住宅が建ち並ぶと思われる。
計画は、将来の周辺環境の変化に左右されない暮らし方を検討する中で、建物で庭(屋外空間)が囲まれるようなセミコート形式にしている。玄関から入ると左のボリュームに水廻を集約し、右のボリュームに主室と寝室・個室を配置している。主室は、東西に長く南面へ大きな開口を取り、外部へと繋がる計画とし、又大きな吹抜け設け個室のある2階を繋いでいる。大きなボリュームのあるワンルーム空間に、シンプルながらも開口部の近傍や2階の階段の一画のスタディコーナーなど様々な居場所が出来る計画としている。外観は、高さを抑えた切妻屋根を掛け、外壁には焼杉板を使用した。
主室を中心とした大きな吹抜けを持つワンルーム空間は、暮らしの変化に対応し家族のコミュニケーションを育む。曖昧につながり曖昧に仕切られる関係が、これからの暮らしを楽しくさせるのではないかと思う。
木造/在来軸組工法(2階建て)
延べ床面積:104.76㎡(31.68坪)
設計:藤原昌彦+バウムスタイルアーキテクト一級建築士事務所
施工:株式会社バウムスタイルアーキテクト
構造設計:株式会社倉敷構造設計室
設計期間:2021年9月~2023年2月
施工期間:2023年2月~2023年11月
写真:笹の倉舎/笹倉洋平(https://www.sasanokurasha.com)