お互いの趣味を楽しみ豊かな暮らしのあるコートハウス「水島の家」

倉敷市水島の工業地域の近くにある住宅地の一画に建つ4人家族の住まう住宅。
多趣味なご夫婦のそれぞれの時間を楽しみながら、家族の気配を感じられ緑の楽しめる豊かな空間となるよう設計しました。

躯体性能:耐震等級3(許容応力度計算による構造計算) ※構造についてはこちら
外皮性能:Ua値 0.47  C値 0.5          ※温熱環境についてはこちらへ
認定長期優良住宅取得

2階建てのボリュームと平屋建てのボリュームがL型を構成し、庭を包み込むような形をしている。

リビングからデッキへ直接出られるようにしている。

玄関から続く土間空間と和室(茶室)。
和室は、奥様の趣味でもあるお茶が出来るように炉が切ってある。(カジュアルな茶室としている)

玄関からの土間が続く。

玄関からの土間空間、スタディーコーナーと主室が間仕切りなく続く空間。
床の高さによりテリトリーを分けている。

キッチンはセパレート型として、シンク部分はフラットでダイニングと繋がる。

キッチンからの眺め。
リビング・ダイニング・スタディーコーナーが見渡せるようにしている。

ご主人の書斎。
工具などが掛けられるように、有孔ベニヤを壁に貼っている。

お互いの趣味を楽しみ豊かな暮らしのあるコートハウス「水島の家」

水島は、コンビナートがある工業の街である。敷地は、コンビナートの近くに位置し、クライアント(ご夫婦ともに)が幼少期に過ごした住み慣れた環境である。また、造成され40年以上経過した敷地であった為、周辺には住宅が建て込んでおり、建物からの視線の抜けは一方向の敷地であった。この場所に、4人がお互いの気配を感じながら、緑の楽しめ穏やかに暮らすことのできる住宅を考えた。
ご夫婦は、共通の趣味を持ちつつ、それぞれの楽しみもある家族で休日は、共通の又はそれぞれの趣味を楽しむ。ご主人は、職業がら物を大切にしつつ丁寧に使われ、奥様は趣味を楽しみながらご自身のスキルアップのために時間を使う方であった。平面計画としては、建物のボリュームをL型として中心に主室を配置し、ご夫婦お互いの趣味の部屋をその両端へ配置した。玄関からは土間が続く空間とし、奥様の趣味であるお茶のできる和室とお子様が勉強できるスタディコーナーとなっており、その続きで主室が間仕切りのない空間で連続している。居間は、一段下に下がりながら天井高さを高くとり、その奥にご主人の書斎を設けた。また、多くの友人や知人を招くことも有り、水廻と寝室・個室は、2階へ配置し、プライベート空間を分ける計画としている。当初の計画では、ガレージも住宅部分(ご主人の書斎)と繋げて行き来出来るようにしていたが、コストダウンを行うため別棟とした。
外部空間のテラスや庭は、住宅のL型形状とガレージにより、囲われた形状となりコートハウスの形式に近い形となった。また、玄関を敷地の奥まったところに配置することにより、庭の緑を眺めながらアプローチが出来るようにしている。日々、趣味と緑を楽しみながら、豊かさを感じ暮らせる住宅となった。

木造2階建て(SE構法)
延べ床面積:142.35㎡(43.06坪)(1階 65.76㎡(19.89坪) 2階 49.68㎡(15.02坪) ガレージ 26.91㎡(8.14坪))
建築設計:藤原昌彦+バウムスタイルアーキテクト一級建築士事務所
構造設計:株式会社エヌシーエヌ
設計期間:2022年  8月~2023年12月
施工期間:2023年 7月~2024年 6月
写  真:笹倉洋平/笹の倉舎